世界が全体幸福にならないうちは、ぷりきゅきゅは止まらない

エッセイ

宮沢賢治の農民芸術概論が結構好きだったりする。

芸術とは、ある一定の地位やエリートのためのものではなく、
田畑を耕す農民こそが、その営みの中で創作していくべきものだという思想だ。

それはまるで人類賛歌のようでもある。
どこかの階級に対する反発というよりも、もっと高い視座から生まれた概念で、
生きることそのものが芸術であり、創作の主導権は誰にでもあるのだと語りかけてくる。

大地と共に生きる者こそが、もっと芸術に触れるべきだという、静かな、しかし強い叫び。

そして締めくくりは有名な一節、
「世界が全体幸福にならないうちは、個人の幸福は望めない」

賛否はあれど、一つの理想を突きつけてくる。

素晴らしい。素晴らしいよ賢治。
訛りひどいけど、最高だよ賢治。

これが書かれたのが、だいたい100年前。
大正末期、時代が一気に加速しはじめた頃だ。

都市化が進み、農村は疲弊していく。
生活は苦しく、正直な話、芸術なんてやっている場合じゃない。
むしろそんなことを言い出したら頭がおかしいと思われてもおかしくない時代だ。

そんな中で賢治はこれを書いた。

当時の文芸はプロレタリア文学が台頭し、
「ペンで社会を変える」みたいな熱を帯びた連中がもてはやされていた。

ただ、その中心にいたのは結局、都市の知識層や教養ある人間たちだ。
労働者は、その思想を受け取る側に回ることがほとんどだった。

賢治はそこに乗らない。
反体制だとか、そういう小さな枠組みで語ることすらしていない。

日々、現実の地獄を見続ける農民の側にいながら、
それでもなお「世界全体の幸福」を考え続ける。

思想としては、むしろ異様だ。
かっこいい。賢治。かっこいいよ。
セロ弾きのゴーシュ、超読みづらかったけど良かったよ。

でね、その100年後。
2026年の日本の芸術についても考えてみたい。

別にこれは日本だけの話じゃないが、
芸術は“美”というより、短絡的な快楽を消費するためのものとして扱われることが増えた。

チューイングガムと楽曲1枚の違いが、正直わからなくなってきている。

ただ、その代わりに芸術は特権階級のものではなくなった。
誰でも楽しめるし、誰でも創作できる。

その過程で、質や思想が削れたのか、
それとも最初からそんなものは幻想だったのかはわからない。

今やAIが音楽も、小説も、詩も、動画まで作る。

もし賢治がこれを見たら、一瞬驚いて、それから何を言うのか。
たぶん、そこが一番気になる。

俺はね、賢治。
お前と一緒にYoutubeを見たいんだ。
で、例えばCUTIE STREETのぷりきゅきゅを見たい。

100年前、君は地獄のような生活の中で大地と共に生きる農民にこそ芸術を! そう叫んだ。
その100年後、かわいい女の子たちが集まってこう歌うんだ。

「3・2・1 ぷりきゅきゅきゅ Year ぷりきゅきゅー!!!!!!!!
 きゅきゅぷ・ぷ・ぷり ぷりきゅきゅー!!!!!!!!!」

賢治。お前の知らない地獄がここにあるんだ。
お前は俺にとって天才だ。
でもこの世界は、お前が想像した形では広がらなかった。

芸術は確かに誰のものにもなった。
でもその中身は、こんなふうにもなる。

お前はこの歌詞を書かない。
たぶん、書けない。
前髪命とか書けるか?
無理だ。
だってお前坊主じゃん。

100年たって日本は豊かになって、賢治が生きていた時代よりも苦しんでいる人はきっと確実に減っている。
でもお前の言う世界全体が幸福になっているかというと、なんかどんどん狂っていっているようにも見える。
なんなら幸福という単語だって賢治の時代に形成された幸福ではなくなってきている。
言葉だけが先行しているようすら見える。

でさ、お前言ったじゃん。
世界が全体幸福にならなければ個人の幸福は望めない。

それって、逆じゃダメなのかな。

例えば、個人が個人の手を取って、一人が近しい人の幸福をつくる。
その連なりが、結果として世界に広がっていく。
そんな形のほうが、今の時代にはしっくりくる気がするんだよ。

なあ、賢治。

100年前にあれを書いたお前となら、
この100年後の世界も、少しはまともに見えるかもしれない。

どうだ。俺と一緒にぷりきゅきゅコーラスしないか?
泣きながらでもいい。絶望しながらでもいい。狂ったように歌って踊ってみないか?
それが全体幸福の最初の一歩になると、俺は信じている。

それじゃあいくぜ、賢治!
3・2・1 ぷりきゅきゅきゅ Year ぷりきゅきゅー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
きゅきゅぷ・ぷ・ぷり ぷりきゅきゅー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まえがみいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

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